今から約20年も遡ります。
高校時代の3年間、羽球部で共に競い合った、仲の良い『同級生』でした。
お互い、クラスに溶け込むのが苦手で、部活動で会うのが楽しみだったとは、
後からの笑い話です。
大学、社会人になってからは全くの疎遠で、正直なところ、記憶からも無くなっていました。
一回だけ、パレスで会った記憶が微かに残るだけでした。
それが、当館に結婚のご相談にいらっしゃった際に、私の名前を出してくださったことが縁で、
このたび、パーティーのお手伝いをさせていただきました。
20年近くも疎遠であったことから、感傷的になることは無いと思っていました。
高校時代、平凡な選手だった私は、センス抜群の彼のお陰で、より上のステージを体験
させてもらいました。
その想い出が蘇ってきたのを機に、せめて、その時の恩返しができれば・・・と強く思うように
なったことで、このたびの『同級生』の結婚に際し、単なる『同級生』が、短い準備期間の中で
『友』、『友情』に戻っていくのを、実感することになります。
お嫁さん曰く、結婚式に対して、決して前向きでなかった『友』は、
私との会話の中から心を開くようになり、普段はあまりしゃべらないけれども、
こんなに話している彼を初めて見た、と。
『お前の親は、俺の親と同じもんだ』とは、私の勝手な想いですが、
まさに、そんな想いです。
単なる『同級生』だったら、言えなかったことがあったと思います。
『友』だから、伝えきった言葉があります。
40歳を目前に控え、特別な想いに浸ることができたこと、
『友』のために涙を流すことができたこと、途切れていた縁が繋がったことは、
この上ない宝となりました。
親御様の涙が、自分の親が流す涙のように見えて、
親に会いたくなりました。